中国長者番付に同じ会社から7人ランクイン

 中国で、このほど2つの長者番付が発表された。中国の民間調査機関・胡潤(フージワーフ)研究院と米経済誌「フォーブス」によるもので、大手重機メーカー「三一集団」の梁穏根(りょう おんね)氏がいずれもトップに立った。総資産はフォーブスによると93億ドル(約7220億円)、フージワーフでは700億元(約8481億円)と発表された。

福島第一原発でも活躍の会社から7人も


梁穏根(りょう おんね)氏(フォーブスより)
 梁氏は湖南省の農家出身、もともと政府の兵器工場で働いていたが、1986年に仲間と共に起業し三一集団を設立した。三一集団はインフラ整備やビル建設に使う大型建設機械を扱う中国有数の企業グループに成長。中国の建設ラッシュの波にのって業績を急速に伸ばし、昨年の企業純利益は180%増加、現在は香港市場への上場を目指している。

 この三一集団は、東日本大震災後、福島第一原発の冷却作業の為、1億円近いポンプを無償提供したことでも知られる。

 フォーブスのランキングには、この三一集団から他にも7人がランクインし、最も多くの富豪を生み出した企業となった。フォーブス・シニアエディターの範魯賢(はん ろけん)氏は「富豪ランキング上位400人の中に、1つの企業から7人もランクインしたのは、中国富豪ランキングを作成して以来、初めてのことだ」と驚きを隠さない。

 この三一集団には、「朝食会」という習慣があることが知られている。これは、一日のうちで一番仕事に向いている時間帯は“朝”という考えのものと、梁会長と各幹部が朝食を取りながら、会社の方針について話し合いを行っているのだ。幹部たちは皆額に汗しながら、様々な議題について質疑応答を繰り返し、梁会長の話さえ、途中で遮られることもあるという。こうした毎朝の真剣な話し合いが、三一集団の急成長を支えているのは間違いないだろう。


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