われわれは貨幣経済の中に身を置いているが、「金本位制」が貨幣経済の総本山である米ニューヨークでひそかに復活していた。
米不動産王ドナルド・トランプ氏が、自社所有の40ウォールストリートの70階建てビルの一室を賃貸契約する際に、代金をゴールドで受け取っていたことがわかった。
FOXニュースによると、この不動産は契約にあたって、一時支払い金として17万6000ドルを入れなければならないのだが、契約者は32オンスの純度99.9%の金塊で支払うことを申し出たのだという。契約者は貴金属ディーラー、マイケル・ヘインズ氏。
しかし、トランプ氏はこれを了承。ヘインズ氏は「トランプは賢い男だ」と述べている。
そしてトランプ氏は「お金の代わりにゴールドで代金をもらわなければいけなくなるとは悲しいことだ。米国経済は悪い、オバマはドルをまったく守ろうとしないからだ」と、米ドルの価値低下を嘆いていた。
過去には、スーパーモデルで7年連続長者番付1位のジゼル・ブンチェンさんが、ギャラの支払いをドルではなくユーロを指定したと報道されたこともあった(後にマネージメント側が否定)。
ドル以外での支払い方法が今後も、こうしたふうに局地的には出てくるかもしれず、トランプ氏の今回の取引はその先例にもなりそうだ。
ドナルド・トランプ氏