「赤ワイン健康説」の教授が145個もデータねつ造

 米コネティカット大学は、赤ワインの健康効果を説いたディバク・ダス教授の研究結果にいくつかのねつ造が行われていた、との学内調査結果を発表した。

 ダス教授は同大心臓血管研究所所長で、赤ワインの中にある成分「レスベラトール」が心臓病の予防など健康に良いとの研究結果を発表し、多くの機関や個人から注目を集めていた。

 しかし、2008年に匿名の告発によって、ダス教授の研究結果は疑念を持たれていた。そこで大学側は3年間にわたって、これまでのダス教授の研究結果の調査にあたってきた。

 これまで7年間に残した合計6万ページにわたる報告書の中から、145カ所のデータの改ざんや、ねつ造などが見つかったという。

 現在、合衆国からの研究補助金をはじめ外部からの補助金、寄付金による研究は一時的に凍結しているのだという。

 同大学のフィリップ・オースティン副学長は「すべての研究者やスタッフにルールの遵守を求めてきた。このたびの目に余る行動には失望している」としている。

 ダス教授は委員会の調べに対し、データ操作の事実は知らなかったと弁明したが、委員会は証拠をもとに、同教授の証言は信頼性を欠くと判断。免職に向けた手続きを開始した。

 ただ、一つだけ救いがあるとすれば、レスベラトールが健康に及ぼす効果について、ねつ造というだけで事実を動かすことは困難であるという。つまり、健康には良いということのようだ。

 これまで、同教授が発表した不正が発覚した論文は次のとおり。
・American Journal of Physiology – Heart & Circulatory
・Antioxidants & Redox Signaling
・Cellular Physiology & Biochemistry
・Free Radical Biology
・Free Radical Research
・Journal of Agriculture and Food Chemistry
・Journal of Cellular & Molecular Medicine
・Journal of Nutritional Biochemistry
・Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics
・Molecular & Cellular Cardiology
・Molecular & Cellular Chemistry


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