中国富豪、ワインに飽きた

 中国富豪たちが熱狂的に投資していたフランス高級ワイン市場に、今年に入ってかげりが見えてきているという。法新社が伝えた。

 先週末、香港サザビーズオークションが開かれたが、売れ残りがあちこちで見られ、落札率は85%にとどまった。売上額も4405万香港ドル(約4億4000万円)で、予想額の5000万〜7000万香港ドルに届かず。サザビーズアジアの責任者は「売上げがよくないのは、熟成期間の短いワインの需要が少なくなってきているからだ」と説明する。

 中国で人気を集めているワインの中心はボルドーだが、2009年のシャトー・ラフィットは昨年1月初めに1305ユーロ(約13万円)だったのが、12月末には988ユーロ(約10万円)に値下がりした。他にも、40%以上値下がりした銘柄もある。本当に中国富豪のワインへの関心は、薄らいできてしまったのだろうか?

 こうした値下がりに対しては、「市場が自動修正した結果だ」とする見方が強い。値下がりの原因は、経済情勢不安や、欧州経済危機などの面もあるが、2010年のボルドーワインの価格が高騰しすぎたため、本来の価格帯に戻ってきたというわけだ。

 一方で、中国富豪たちがボルドーに飽きてきたのではという意見もある。香港の富豪でワイン収蔵家でもあるGeorges Tong氏は「ラフィットをプレゼントしても以前のように喜ばれなくなった。今は、ロマネコンティだよ」と話す。1ボトル12000ユーロ(約120万円)は軽く超える品物だ。


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