東電、次期社長の廣瀬氏「東電が好き」

 東京電力は8日臨時取締役を開催し、後任社長に常務の廣瀬直己氏を選任した。本店で会見した廣瀬氏は「個人的に東電が好きですので、この状態のままでほっぽり出すのは耐え難いという思いがあった」と受諾した思いを述べた。

 「社長として社会や福島の皆さまの期待に沿えるよう頑張りたい」と決意を述べた廣瀬氏。すでに会長には、下河辺和彦・原子力損害賠償支援機構委員長が決定しているが、社長には生え抜きを充てるとの見方が根強かった。

 廣瀬氏は勝俣恒久会長、西澤俊夫社長らと同じく企画部門を経験、一昨年6月から常務に就任している。昨年3月の福島第一原発事故以降は、補償担当の役員として奔走してきた。

 今後の大きな課題の一部である補償を担当してきたが、自分が選ばれた理由については、しばしの沈黙の後で「正直言ってよくわかりません」と答えた。

 昭和51年の就職活動時のことに触れ、廣瀬氏は「東電が愚直に7月に面接解禁というルールを守っていた」ということに好感を持ったようで、その上で「(入社に)ご縁もあった」と回顧。今回の社長就任も「ご縁」ということなのか。

 6月の定時株主総会を経て正式決定となる。また、勝俣会長、西澤社長は6月で会社を完全に離れることになる。


社長に就任する廣瀬直己常務(東電公式サイトより)

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