原発事故、海江田氏「東電が全面撤退」と解釈

 東京電力福島第一原発事故を検証する国会の事故調査委員会が17日行われ、海江田万里経産相(当時)が出席し、清水正孝社長(当時)が現場から全面撤退を指示したかどうかという問題で、「(福島)第一から(福島)第ニに退避する。一部を残すというような言葉はいっさいなかった」と述べた。清水氏は全面撤退を否定しており、海江田氏との間で主張が違っている。

 海江田氏は「『全員』がという言葉は覚えていない。ただ、自分の頭の中で『全員』が(退避)という認識をした」と答弁した。後に、清水氏が否定したことについては「弱冠、気が抜けました」との感想を抱いた。

 東電の清水社長から12日に海江田氏の秘書官あてに電話が掛かってきており、清水氏とはそのまま電話で話をしたという。

 全面撤退するとどうなるかについて、そばにいた経産省の部長にアドバイスを仰ぐと「1~6号機まで全部爆発してたいへんなことになる」と答えたのだという。

 また、東電本店と現場との意思疎通について不備があったのではないかどうかについては「伝言ゲームをやっているような状況で、このままではいけないと思った」と振り返った。


清水正孝社長(当時)

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