シドニーにいる友人から教えられた「ほぼ大人限定、オーベルジュでお料理も最高、厳選されたロッジが集まった“ラグジュアリー・ロッジズ・オブ・オーストラリア luxury lodges of Australia”」。まず最初に訪れたのは、シドニーから北へ約100キロ、車でわずか1時間半(ヘリコプターでいらっしゃる豪奢なゲストもいて、これだと20分)のPretty Beach House(公式HP:http://prettybeachhouse.com.au/)です。(日本語での案内はこちら:
http://style.qantas.jp/luxury/gallery/prettybeachhouse.php)
バウディ国立公園の中にあって、プリティ・ビーチ・ハウスという名の通り海辺に近く、しかし周りは豊かな緑に囲まれていて、別荘やリタイアメント・ハウスも数多いエリア。ゲートはひっそりと森の中にあり本当の隠れ家リゾートといった雰囲気ですが、広大な敷地にわずか3棟のみが建つというエクスクルーシブなロッジです。
1棟に泊まれるゲストは2名のみ、最大6名をバトラーと専門の料理人がおもてなしします。そう、ここは、“24時間執事つきのオーストラリアの別荘”という感覚でしょうか。そして、さらに驚くのは、スパークリングを含むワインの数々、食後酒、ビール(こだわりブルワリーのオーガニックビール)をはじめすべてのドリンクや食事、スナックやデザートなどオールインクルーシブであること。それもウェルカムドリンクとして「きりっと冷えたスパークリング、オーストラリアのワインを選んで」とオーダーをすると(まるで私の心を読んだかのように)マーガレット・リバーのケープメンテルが出てきたのには、ハートをつかまれました。ちょっとドライブの後で喉が渇いていたし、私が飲みたいと思っていたのはまさにそれだったのです。
さて、私のお部屋TREE TOP PAVILIONは2階建て。1階は暖炉のあるリビングで、外にはインフィニティプール(すべてのお部屋に温水のプール付き)。食事はこのプールサイドでも、お部屋でもダイニングでも可能。2階はベッドルームと床暖房の大理石に、外が眺められるバスタブのある浴室です。鳥のさえずりが音楽のようなこのTREE TOPのお部屋で、ワインをいただいて寛ぐだけでも至福の時間です。
このPretty Beach Houseは、お料理がまた素晴らしい。エグゼクティブシェフは2つのレストランを経営するオーストラリアの有名シェフ、ステファノ・マンフレディ。イタリアンをベースとして、ゲストの好みに合ったお料理を出してくれます。事前のゲストへのヒヤリングを元にサンプルメニューを提案してくれますが、その日の気分のわがままにも出来る限り対応してくれます。また、広々としたシェフズ・ガーデンに出かけて、シェフから季節の野菜やハーブの説明を聞きながら一緒に選んだ食材を、すぐそのまま料理して出してくれたりも。
アクティビティとして、周囲に数多いアボリジニの軌跡を訪ねるガイド付きツアーやブッシュ・ウォークというトレイル・ハイキングに案内してくれたり、ビーチにピクニックバスケットを持って出かけたり。まさに別荘での気ままな毎日という感じ。
フレンドリーなスタッフのサービスにすっかり寛いだ私ですが、最後の夜は、目の前でシェフが解説をしながら料理をしてくれるシェフズ・テーブルのディナーをいただきました。セロリやフェンネルの香りが活きたポテトのピュレーをかけた香ばしい海老のグリルは最高。ダックのコンフィをキャベツで包んだものはビーフストックを濃縮したソース、「バターは余り使いません」とシェフ。旨味がぎゅっと詰まってました。
3日間の滞在で、すっかりシェフやスタッフと仲良くなって、後ろ髪を引かれる思いの私。お昼12時の飛行機なので、「お腹がすくかも。これをどうぞ」とランチボックスまで用意してくれていました。確かに、2人で1泊1700オーストラリアドルというのは安くはありませんが、シドニーからの送迎、これだけの食事に飲み物、そして何よりの寛ぎを提供してくれて、納得のお値段でした。アニバーサリーやウェディング、そしてプロポーズのため(すごくロマンチックな一夜を演出してくれそう)というゲストが多いというのもうなづけます。
さて、シドニーの空港国内線ターミナル、カンタスラウンジ(qantas.comにも出ていますが、国内線でもかなり広々)で、まだPretty Beach Houseの思い出にひたりながらも、次の行き先メルボルンのLake Houseの炭酸泉スパと料理に期待が膨らむのでした。