政府主催の「エネルギー・環境の選択肢に関する意見聴取会」で中部電力社員が発言したことについて、同社は19日、「当社社員の意見の中に、福島第一原子力発電所事故の被災者の方々のお気持ちを傷つけるような不適切な発言があったことに関して、深くお詫び申し上げます」と謝罪した。
これは7月16日に名古屋市内で行われた意見聴取会で、同社の現役社員が出席し発言。その内容は次のようなものだとしている。
・電力会社の社員は利害当事者であるから、一般国民の意見を聞く場に出るべきではなく、意見に耳を傾けるべきだ。
・「原子力発電のリスクを過大評価している」との意見があったが、そのような一方的な評価はおかしい。
同社はHP上には公表していないが、発言には「放射能で亡くなった人は1人もいない」「それは今後も変わらない」などというものもあった。
同社に多くのユーザーから意見が寄せられたといい、同社は「みなさまからのご指摘は、まことに重大であり、当社として真摯に受け止め、電気事業に携わる者の役割と責任を、今一度心に決めて、電力の安全、安定、安価な供給に取り組んでまいる所存です」と重ねて謝罪した。
先に仙台市で行われた聴取会でも東北電力社員が出席し「当社の考えを…」などと意見を述べていたが、次回以降の聴取会では電力会社の社員は対象外となる。