中国「理財周報」が発表した「2012年3000家族財産ランキング」によると、株式市場の不調で、中国富裕層3000家族の財産が1年間に合計で5866億元(約7兆3331億元)消失していたことが分かった。これは、マカオのGDPの5倍近くに上る。
昨年富豪ランキング1位で注目を集めた梁穏根(りょう おんね)氏の資産は、昨年比200億元(約2500億円)近く減少したが、これは彼一人の話ではない。株価の値下がりにより、ランキング10位以内に入ったほとんどの富豪の財産が減少。その額も数十億元から数百億元(数百万円から数千万円)に上っている。
業界別にみると、依然として不動産業が“儲かる”業種のようだ。ランキング10位のうち5人が不動産業関連で、15位まででは8人と、いずれも約半分を占めた。しかし、ほかの業界の富豪たちと違い、今年は不動産富豪の共通点は“縮小”。財産の縮小率は平均19.05%で、最大は恒大地産の許家印(きょ かいん)氏で、約142億元(約1700億円)の減少だった。
また、IPOで一夜にして大金持ちに成り上がることができたのは、もはや昔の出来事と言えるかもしれない。今年の上半期、すでに116の企業が上場したが、株式市場の不調がたたり、ランキングに登場したとしても皆100位圏外。ランキングに名を連ねるものは数えるほどしかいない。
「理財周報」はセカンダリー市場の不調が財産の消失を招いたと分析。また、長年ビジネス界で活躍してきた富豪たちが未だに中国経済の核となっており、新しい富豪たちが入る隙間は依然として大きくないとしている。