フランスでニーチェなどの哲学研究で第一人者としても知られる御年69歳の哲学博士B氏。また同時にパリの一等地に6軒のマンションを所有し、30年間で8倍にしたものもあるなど、数億円の上がりを得ているほどの投資の腕前の持ち主でもある。パリの不動産投資での儲け方をここで披露する。
本業の裏で荒稼ぎする「おじいちゃん」
裏の顔は、プロ顔負けの不動産投資家。B氏がパリ不動産で利益を出す3つの哲学を特別に公開した。
哲学1)街の変遷を狙う
まず8倍になった物件は、B氏が30年前、独身時代にエティエンヌマルセル界隈に購入したマンション。2回に渡る町の変遷に巧く乗った例だ。
購入時 1200ユーロ/平米
30年後 9800ユーロ/平米
最初の変遷は1970年代。かつてこのエリアは「パリの胃袋」と呼ばれた垢抜けない食品の問屋街だった。早朝から移民の老女がバケツのような鍋にスープを入れて、道端で労働者に売るような垢抜けない街。
それが1969年にパリ郊外にRungisという新たな卸問屋街が作られたことで、段々にそちらに問屋街が移り、住民の層が劇的に変化した。
2回目の変遷は10年ほど前。この界隈はマスコミが多かったため、印刷工場が多く夜遅くまで騒音があった。B氏が所有するマンションの1つの1階にも印刷工場があった。
しかし、10年ほど前に新聞各社は広い敷地を求めて郊外へと移転。小さな印刷工場はお役目ご免となる。マンションの印刷工場は今では工場があったとは想像も出来ない美しい中庭になっている。
5年後、10年後の街の変遷を見据えて、場所選びをすることが大事なのだ。