関西電力が、来春に電気料金を値上げするために大規模なリストラを検討しているとうわさされている。福井・大飯原発3、4号機以外の原発再稼働が見込めず、値上げなしでは経営が成り立たなくなるが、値上げを認可する立場の経済産業省が「世間の目が厳しいだけに、相当な自助努力を示してほしい」と要求しているからだ。値上げ申請リミットは12月上旬ともいわれ、「リストラ発表も秒読み段階」(40代関電社員)とも。
10年前のリストラが蘇る
関西電力本社(大阪市)
関電の場合、原発比率が高いだけに、来春の値上げは生命線。経産省と協議していることは公然の事実となっている。申請に踏み切れば、第2次石油危機の1980年以来33年ぶり。人件費や燃料費など、料金の「原価」が適正であるかの審査や利用者の公聴会などが必要になるため、申請は年内でないと間に合わない。
同時に、工場や大型ビルなど、認可が必要でない大口需要家についても値上げしたい考えで、それだけに「申請時点でできる限りの努力をしたことを示さなければならない」(関電関係者)。
その努力の中に、「人員削減が含まれる可能性が高い」(30代関電社員)。関電は、2002年に2500人の早期退職を実施、2005年までの3年間に社員の1割強に当たる3000人を減らしており、“即効薬”の威力を知っていることが背景にある。