大前研一氏「東電の能力がない」(東電諮問機関)

 東京電力は14日、原子力改革の取り組みの諮問機関「原子力改革監視委員会」の第2回会合を行い、大前研一委員は「メルトスルーは水素爆発の大きさから、素人でもわかる。(東電の)能力が足りなくてわからなかったという分類になる」と語った。

 福島第一原発事故が起きた昨年3月、大前氏は当時首相だった菅直人氏に呼ばれて意見を述べたという。初日に原子炉はメルトスルーしていたが数カ月も後に認めたことについて、大前氏は「能力がないか、ウソを言ったか、ウソを言えと言われたか」のどれかだとした。

 大前氏によると、菅氏は、原子力安全委員会がメルトスルーはしていないと報告を受けて困っていたという。「炉心が溶融していなければ、あのように水素は出ない。水素爆発の大きさから、素人でもわかる」とした。

 もしも、ウソを言うように圧力を受けた可能性については「どの筋かは問い合わせていない。わたしの説明が誤解を招くといけないが、自分たちの能力が足りなくてわからなかったという分類になっている」とした。

 また、原発の再稼働を望むのなら「(安全だと説明してきたことが間違っていたと)福島の方に対して謝罪するべきだ」とした。

 元米国原子力規制委員長のデール・クライン委員は「事故の後は正確で透明性のある情報を得られなかったし、謝罪の態度が欠けていた。また、事故に対する責任を取っていなかった」と、厳しい意見を語った。

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