東宝不動産TOBに77%集まる「買い付け価格が安すぎる」

 東宝は22日、完全子会社化を目指した東宝不動産の公開買い付け(TOB)の結果について公表した。議決権数は77.09%となり、買い付け価格については、資産価値を正しく算定していないとの声も大きく、不同意の株主も多く出た模様だ。

 東宝が、約59%の株式を保有しているために、TOB成功は間違いなかったが、東宝不動産が東宝ツインタワービル、帝国劇場など都心の超優良物件を保有していることもあり、

 産内容のいい不動産関連銘柄の場合は親会社の財務改善に直結することから、旨味は大きいといわれている。東宝による東宝不動産の完全子会社移行は、これに当たる。資産価値を株価に算入した場合には、TOB価格1株=735円は不当に安いとの声も多くあった。

 すでに、機関投資家の一つであるプロスペクトアセットマネジメントは、「不当に安い価格である」とする声明を発表するなどしている。

 同社がまとめた資産価値で見れば、市場価格は2つ合わせれば900億円を優に超える計算になる。

     東宝ツインタワー  帝劇
簿価   4億3200万円    2億8100万円

路線価  119億1400万円   547億7400万円

市場価格 248億9200万円   684億6700万円

 買い付けの締切日であるこの日の終値は、前日比41円高の1株=776円となった。

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