篠田麻里子さん退任の福岡市「カワイイ区」事業のドロドロ

 福岡市のPR事業の一つである「カワイイ区」。地元出身のアイドル篠田麻里子さんが区長に就任して華々しく始まったが、男女共同参画審議会に寄せられた4件の苦情によって、退任に追い込まれる形となった。しかし、市が代理店、篠田さんサイド主導で半ば押し込まれるような形で、随意契約で行った市長肝いり事業。目的や効果がはっきりしないまま4万人以上の登録者を集めたが、この事業を今一度検証をしてみる。

篠田さんからの売り込み?


高島宗一郎市長と篠田麻里子さん(公式FBより)
 まず「カワイイ区」とは、昨年3月に高島宗一郎市長に、AKB48の篠田麻里子さんが表敬訪問した際に、その場での思いつきから始まった事業のようだ。池田良子市議から昨年10月の決算特別委員会で質問が出ているが、それについての明確な答弁はない。

 開示資料によれば、「福岡のファッション事業振興とシティプロモーションに対する協力の申し出あり」となっている。市の担当者に確認したところ、売り込みと言い切ることができるかどうかはともかく、市長との会談でどちらかとなく出たアイデアで意気投合したようだ。

 6月26日に、福岡市、篠田さんの事務所それぞれの担当者が電話で話をしたところ、事務所側は「単なる仕事というより、思いを持ってやる気持ちになっている。本人が意見を伝える場面を作ってもらいたい」とまで語っており、相当な意気込みを持っていたことはうかがわれる。

 役所の事業のため本来は4月からスタートしたいところではあったが、市側に飲酒運転などの不祥事もあったことからスケジュールは延びた。篠田さんの区長の任期は、平成25年3月31日となった。発表の記者会見が8月29日となった。

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