LVMHに10億円の制裁、エルメス株取得で

 「ルイ・ヴィトン」などを持つ仏ラグジュアリーコングロマリット「LVMH」によるエルメス株買収をめぐって、仏金融市場庁(AMF)は7月1日、「LVMHが開示要件を遵守していなかった」として、過去最高となる800万ユーロ(約10億4100万円)の制裁金を科すことを発表した。だが、「ブランドマフィア」LVMHは異議申し立てをすでに検討しており、仏ブランド界最後の大物を簡単に諦めるつもりはなさそうだ。

 仏金融市場庁の決定によると、LVMHが2008、09年の連結財務諸表を公開する際に、グループ傘下の香港、ルクセンブルクの子会社2社を通じて、エクイティスワップで、エルメス株の取得を行っていたという。その際には3つの投資銀行を使っていたそうだ。

 2010年10月21日時点で、4.9%保有とされていた。だが、実態はすでに10%以上の株式を保有していたといい、議決権を一時的に外部に移すことによって開示義務を免れるヒドゥンオーナーシップ取引を使うなどしていたという。

 AMFはこうした事実を重く見て、800万ユーロという過去最高となる制裁金を科すことを決定している。

 エルメス側が、AMFに告訴していた。

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