香港信報財経報道は、中国大手飲料メーカー・ワハハグループ会長の宋慶後（Song qing hou）氏が、先週末、自宅近くの路上で切りつけられ、左手にけがを負ったと伝えた。
警察によると、切りつけたのは農村出身の男（49歳）だという。宋慶後氏は、昨年の富豪ランキングではトップとなり、今年発表されたばかりのランキングでも2位となるなど、中国でも有数の大富豪として知られる人物。資産総額は110億ドル（約1兆914億円）と見られている。
男は切りつけた動機について、「雇ってほしいと願い出たが聞き入れられなかったので暴力をふるった」と話しているという。
男は、今年初め、3万元(約48万円)を借りて故郷の江蘇省蘇州市から杭州に仕事を探すために出てきた。ところが、年齢等の理由で、どこにも雇ってもらえず、途方にくれていたが、以前テレビ番組で、宋慶後氏が、熱心に農民の支援をしていたことを思い出し、彼なら雇ってくれるかもしれないと考えたということだ。
宋慶後氏の命に別状はなく、すぐに近くの病院に搬送されて治療をうけ、今では通常通り仕事にあたっているという。宋氏は、「今回の事件は突然の事でした。傷の経過は良好です。皆さんのお気遣いに感謝しています」などとコメントしている。
宋慶後氏は、1945年生。一代で中国一の飲料メーカーを築き上げた。日常生活は非常に質素なことで知られていて、ボディーガードなども雇っていなかったということだ。
