凱旋門賞で世界一に挑む栗東の40代「天才」と「秀才」

 10月6日に行われる競馬の最高峰レース凱旋門賞(仏ロンシャン競馬場、2400芝)で、日本からオルフェーヴルと、キズナの有力2頭が挑む。現在世界一とも言われる日本競馬のレベルだが、ホースマンの悲願である優勝の可能性高い有力馬2頭を出走させるという歴史に残りそうなこのレースで頂を極めようというのが、栗東トレーニングセンター始まって以来の「天才」と呼ばれる武豊騎手(44)と、「秀才」と呼ばれる池江泰寿調教師(44)の2人だ。海外のビッグレースに勝つことを幼いころから事あるごとに、語ってきた2人が競馬の歴史を変えるかどうかに注目が集まる。

小中と同級生

 キズナに騎乗する武豊騎手は、父に武邦彦さん(元騎手、元調教師)を持ち、オルフェーヴルの調教師である池江泰寿調教師は父に泰郎元調教師を持つ、ともに栗東トレセン育ちの二代目である。

 「武豊騎手が栗東トレセン始まって以来の天才なら、池江調教師が栗東トレセン始まって以来の秀才です」と競馬記者が2人を称する。


ゴール前でソレミアに交わされるオルフェーヴル(左) =昨年の凱旋門賞
 2人は、競馬一家に生まれ、毎日、馬を見る生活を送ってきた。金勝(こんぜ)小学校、栗東中学校まで同級生として過ごし、その後は別々の道を行った。2人は学校では同じ乗馬クラブの部員としてともにすごしたが、体格の関係で別々の道を行くことになったのだ。池江氏は身長が170センチ以上でしかも大柄な骨格が災いして、道をあきらめて調教師を目指すことになったのだ。

 元々、「馬の特徴をすぐに掴んで柔らかく乗る」タイプの天才肌の武豊騎手と、「血統や調教などを分析して特徴を掴む」タイプの秀才型の池江調教師はまったく異なるキャラクターでもあったのだ。

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