朝日新聞と読売新聞の30代運動部記者が、同僚の朝日記者を恐喝するなどしたとして懲戒処分となり、この朝日、読売の元記者2人が、会社を相手取って、雇用契約による地位保全、本来なら支払われるべきだった賃金などを求めて、それぞれが別々に東京地裁に提訴した。2人は朝日記者から数百万円を恐喝したとして昨年、懲戒処分に。日本の二大マスコミの記者が起こした異例の悪質事件。処理はひっそりと行われたが、今度は戦いの場所を法廷に替えて争うことになった。
殴打、わいせつメール
まず登場人物をまとめておく。
原告A=読売新聞運動部記者(34)、ロッテ担当
原告B=朝日新聞運動部記者(33)、メジャー、パリーグ担当
恐喝被害者C=朝日新聞運動部記者(31)、ロッテ担当
訴状などによると、3人は昨年6月16日夜、東京・銀座で合コンに出席し、その後宿泊先のホテルに向かう際の路上で、CがAとBを殴打したという。そして、ホテルでも殴打は続き、Cが帰った後に携帯電話を部屋におとしていった。Aは、仕返しにその電話で卑猥なメールを複数人の女性に送信した。
後日、AとBは、病院などで診断を受け、首などに障害を受けたとして、AはCから約250万円、BはCから約330万円を受領したという。領収書や請求書などの書面は発行しておらず、3人だけの秘密として処理されるはずであった。ただ、計算ミスが一つだけあったのだ。
朝日新聞が知る発端となったのは、わいせつメール。AがCの携帯から不特定多数に送ったメールだった。受診した女性社員らから相談を受けたことにより発覚し、会社が事情聴取に乗り出すことになった。