大手出版社の上位10社中7社が減収

 大手出版社の上位10社中7社が2012年度は減収となったことが21日、帝国データバンクの調査で明らかになった。販売減少が止まらなかったことが大きな要因。一方で、損益面では、黒字企業は518社で79.2%となり、不動産売却などの資産売却によって収益を確保した会社が目立った。

 2012年度の売上は売上上位10社中7社で減収。集英社、講談社、小学館、角川書店、日経BP、宝島社、東京書籍だった。

 このうち、講談社、小学館、日経BPの3社が2期連続減収だった。さらに売上上位30社を対象に見ても、10社が2期連続減収となった。実に全体の3社に1社の割合だ。

 減収企業は359社で、過半数の54.9%にあたり、月刊誌と週刊誌などの雑誌全体の低迷に歯止めがかからない点や、書籍でも売れる、売れないの二極化が進行している点も見逃せない。特に大手の場合は、雑誌を多数抱えており、厳しい運営がうかがえる。2008、09年の苦しい時期は一時的に乗り切ったものの、今後も厳しい環境との戦いは続く。

 一方で、2期連続増収となったのは、文芸春秋、光文社など3社にとどまっている。また、麻生太郎副総理兼財務相のファミリー企業「麻生」が買収したぎょうせいは、官公庁に強く利益水準は安定している。

◆出版社の売上高上位5社(売上高、最終損益)
1 集英社 1260億円 37億円
2 講談社 1178億円 15億円
3 小学館 1064億円 12億円
4 角川書店 399億円 12億円
5 日経BP 383億円 17億円
6 宝島社  333億円 1000万円
7 文芸春秋 256億円 6億円
8 東京書籍 270億円 6億円
9 光文社  233億円 11億円
10 ぎょうせい214億円 43億円

◆取次業者の売上高上位5社
1 日本出版販売 5813億円
2 トーハン   4912億円
3 大阪屋    942億円
4 栗田出版販売 408億円
5 図書館流通  395億円

◆書店業者の売上高上位5社
1 紀伊国屋書店 1081億円
2 ブックオフ   586億円
3 ジュンク堂書店 513億円
4 有隣堂     513億円
5 未来屋書店   505億円

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