汚染水は湾外にも、経産相と東電社長が答弁

 東京電力福島第一原発の事故によって汚染水が海に漏えいしている問題で、22日の衆院予算委員会で茂木敏充経産相は「水は行き来します。湾内と湾外で入れ替わりがございます。広い外洋において検査を行っているが、基準値以下である」と述べた。0.3平方キロメートルの湾内で影響がブロックされているという安倍晋三首相の公式発言をあいまいな表現にとどめた。松野頼久委員(日本維新の会)の質問への答弁。


福島第一原発湾内(衆議院インターネット審議中継より)
 松野氏は「完全にブロックされているということは、汚染された水が外洋に出ていないということですか」と質問。

 茂木経産相は「海の水は混ざります。外洋で測った場合でも、基準値以下です。漏れるという状態で出ているわけではない。重要なのは基準値以下であるかどうか」とした。

 また、側溝から湾外に流れ出す汚染水について、参考人として招致された東京電力の広瀬直己社長は、「雨の水は全部流ます。雨が降ると、放射性物質が積もっているので、雨の水として流れているものがあると思います」と答えた。さらに、湾内をせき止める役割のシルトフェンスについては「ご存知のとおり、カーテンのように下までとおしているが、船が通る時には一時的には外します」として、湾内外のせき止めについても答えた。

 この日、東京電力は港湾外の海水で放射性セシウム137を1リットル当たり1.6ベクレル検出したと発表した。検出地点は、福島第一原発の沖合約1キロで、調査開始以来で最高値となっている。

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