10カ月考えた申告漏れの言い訳は「植毛」

 10カ月以上もかけて考えた申告漏れの言い訳が「植毛」だった。

 名古屋国税局から7500万円の申告漏れを指摘されていた、プロ野球解説者でタレントの坂東英二さん(73)が10日、大阪市内で緊急記者会見を行ったが、「申告漏れ」を「植毛」にすり替えることに、とりあえず成功した会見だった。

 「記者から報告を受けたデスクが、笑っていましたね。予想もしないようなまさかのネタでしたから」と、前日の様子を知る関西の記者は語る。

 野球人らしく日本シリーズを避けた上で、ほとぼりも冷めた、ワイドショーの生中継の放送もない日曜日に、しかも東京を離れた大阪で緊急記者会見を行う姑息さ? は選んだ舞台にぴったりだった。

 楽天の星野仙一監督とも仲が良く、楽天特需にありつけなかったが、申告漏れの熱を冷ますには籠っているしか方法はなかった。

 会見では最初に謝罪し、国税当局とは見解の相違であったことを述べた。そして質問では、何について見解が相違していたのか尋ねられると、「植毛」という答えが出たのだという。

 「この20年くらい植毛をしてきました。カツラも経費が落ちるので、植毛も落ちるかと思っていました」という風に答えたのだという。

 「笑いを狙ったかどうかはともかく、会場から笑いもなく、報道陣はまさかの答えにあっ気に取られていたようです」(前出記者)

 原稿を考えながら会見に臨む記者にとっては、あっ気に取られながらも、見出しができた、という感覚は同時にわいてきたことは想像に難くない。翌朝のスポーツ紙各紙の見出しは「植毛」が踊っていた。とりあえず、切り抜けた坂東さんの勝ちということか。

 植毛でそれだけ高額の費用が必要かどうかは判然としないが、会見には、代理人も同席し、外注費の架空請求などの事実はないことも明らかにしたようだが、釈然としないものは残ったようだった。

 どうにか釈明の会見を乗り切ったが、今後の仕事についてはまだ予定はないという。

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