「香港の不動産投資は避けろ」李嘉誠氏

 アジアナンバー1大富豪、香港の不動産大手「長江実業」会長の李嘉誠氏(り・かせい)はこのほど、本拠地の香港や中国本土で行ってきた不動産投資で物件を次々と売却していることについて、「安く買って高く売る。それは、常識的な企業活動だ」と述べた。また、割高であることも示唆した。


李嘉誠氏
 李氏は今年に入ってから、香港の不動産市場は今後は不安定であり、リスクの高い投機的な売買はできるだけ避けた方が良いとの見解を示してきた。現に2012年通期の決算で同社は、5年ぶりの減益ともなった。

 香港紙サウスチャイナモーニングポストによると、李氏は「香港はすでに地価が高い。安く買って高く売る。それは、常識的な企業活動だ」と述べている。

 北京、上海など中国主要都市、香港の不動産を次々と売却しており、欧州の物件取得を行うなどの他地域への分散を行っている。

 香港は外国人でも特に制限なしに不動産売買が可能であるので、外国人投資家がかなりの割合を占める。2008年以降は相場は2倍以上になるなど加熱。そのため政府は昨年暮れからはBSDという、外国人投資家から取引価格に対して15%の税金を特別徴収する新たな税制を施工するなど、締め付けも厳しくなっており、今後の値上がりは難しいと見られていた。

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