歴代政権の株価上昇率とアベノミクス

 昨年12月に安倍晋三首相が就任して以来、TOPIX(東証株価指数)は現在まで40%以上の上昇をしている。過去の例では、長期政権ほど株価上昇しやすい傾向も出ており、今後の株高に期待する向きもある。


 流行語の一つともなった「アベノミクス」。自民党総裁選挙での決選投票からの逆転勝利、さらには総選挙大勝、2020年の五輪開催地選考で勝利するなど強運が続いている感さえある。

 産経新聞によれば、安倍首相は今月、都内で行われた経済専門家らとの会合で、ここまでの株価上昇に対して「倍返しではなく5倍返しだ」とも語ったという。これは、専門家らの上げ幅予想の5倍になったからだという。

 ちなみに、2009年に当時の日興シティグループ証券が発表したレポート「経済政策と株式市場」によると、これまでの歴代首相の中で在任中に最も株価が上昇した例がまとめられている。TOPIXの上昇度が大きかった政権は次のとおり。

1 中曽根康弘 221.1% 5年間(1982年11月~87年11月)
2 佐藤栄作  219.7% 7年8カ月間(1964年11月~72年7月)
3 岸信介   88.0%  3年5カ月間(1957年2月~60年7月)

 1、2位の中曽根、佐藤の両氏はともに200%超えを達成しており、奇しくも安倍首相の祖父にあたる岸氏も3位となっている。中曽根政権は

 同レポートの解説には「長期政権だから景気がいいという傾向はあるが、景気がいいから長期政権になるということは言えない」としている。

 中曽根、佐藤の両政権は結果的に長期の政権となっており、例えば、1980年代のバブル期で中曽根政権の後を受けた竹下内閣、宇野内閣などは短命政権に終わっている。

 安倍首相の場合は、自民党の次期総裁選挙が2015年、さらに衆院総選挙は任期いっぱいまで行けば2016年。最低でもここまでは、現在の状態が続くと見られ、現政権は安泰でいることができるだろう。

 安倍首相の就任の昨年12月26日から、今年12月24日までのTOPIX上昇率は約42%。恵まれた安定政権が、今後の株価にどう結び付いていくか。

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