早くも「NISA含み損に耐える会」

 非課税枠などが使え、個人投資家にメリットも大きい、としてスタートしたNISA。しかし、大々的な宣伝とは一方で船出は厳しいようで、早くもインターネット掲示板2ちゃんねるには「NISA含み損に耐える会」なるスレッドが立つなどしている。今一度、賢く使いこなすことを再認識する必要はありそうだ。


NISAの説明(日本証券業協会HPより)
 NISAとは「少額投資非課税制度」のことで、国内の上場株式や投資信託などの運用益や配当金を一定額非課税にできるという制度だ。つまり、利益の約20%の税金がかからないということになる。

 業界関係者によると、「銀行業界と証券業界の、優遇税制をめぐっての論争があり、その折衷案としてできたものだ」とも言われているが、少額とはいえども、非課税枠が設置されたことは個人投資家には大きいとも見られていた。

 ただ、投資だけにデメリットも存在する。
・5年間の有期である
・5年経過時に損が発生していると、その額が取得額とされる
・一度売却した枠はもう使えない

 などが挙げられるだろう。

 2CH掲示板の「NISA含み損に耐える会」の書き込みには、「結局超安定株しか入れられないよな 。しかも5年にわたって景気が下がらない前提で」「ナンピンより(事実上)損切りできないのがオワットル。損切りこそ投資で一番大事なのに」などの声が出ている。

 ナンピン買いは残り枠の状況によってはできないために、下げてのスタートはかなり苦しく、個人投資家の心理的な負担は大きい。

 さらに、前出の業界関係者は「NISAで初心者のリスク許容度を上げておいて、5年後からが本当の勝負だと見て、リスクを取らせるのです。このために、どの証券会社も必死で営業やキャンペーンを行っていたのです」とも話す。

 そうした証券会社の思惑など無視して、利益の20%が非課税となるメリットを最大限活かすために、NISAの口座を儲けるために使うことが大事だ。そのためには、次のような使い方は常に念頭に置くべきだろう。

・上昇しそうな低位株を購入して騰がるまで待つ
・高配当株を購入して継続保有

 これからNISA口座開設を考える人は、メリット、デメリットの両面をもう一度、考えた方が良いだろう。

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる