首都圏中古マンション販売、伸びが落ちつく

 東日本不動産流通機構が発表した2月の中古マンション成約数は、首都圏は18カ月ぶりに前年同月比を下回った。東京は引き続き上回ったが、神奈川、千葉が下回っており、勢いは落ち着きを見せているようだ。

 平方メートル単価は41.68万円(前年比7.8%増、前月比0.3%増)、成約平均単価は2693万円だった。成約平均面積は64.61平方メートル、平均築年数は19.25年。

 東京は昨年は常に対前年比二2ケタ増が続いてきたが、今年に入り1月は6.4%、2月3.9%を一ケタに落ち着いている。今年2月は埼玉0%、千葉2%減、神奈川6.6%減
となった。ちなみに、1億円以上の億ションと、年収1000万円クラス向けの7000万円以上の価格帯のマンションの成約件数は次のようになる。

◆首都圏の1億円以上の中古マンション成約数
13年1~3月 44
  4~6月 55
  7~9月 49
 10~12月 62
※神奈川県の億ション7件、千葉県2件

◆首都圏の7000万円以上の中古マンション
13年1~3月 154
  4~6月 144
  7~9月 138
 10~12月 152

 また、2012年末の億ションの在庫は751戸から、13年末には647戸に減少した。ただ消費税増税前の駆け込みの購入もあり、こちらも減速の可能性がある。都内の各地区ごとの動向は次のとおり。

◆都心3区(千代田、中央、港)
 2月は6.1%増で、平方メートル単価は86.37万円と高止まりしている。ただし、昨年のような大きな伸びは見られず、需要は一巡した可能性もあり市場は一服している模様だ。

◆城南地区(品川、太田、目黒、世田谷)
 2月は5.3%の増加だが、昨年秋ごろから伸びは止まりつつある。平方メートル単価は62.68万円。

◆城西地区(新宿、渋谷、杉並、中野)
 2月は23.4%増と、高い伸びを継続している。1月こそ一ケタの伸びだったが、二ケタ増を続けている。平方メートル単価は67.55万円。

◆城北地区(文京、豊島、北、板橋、練馬)
 2月は2.3%増と減速した。平方メートル単価は54.46万円。

 不動産業界では一般的に、皇居を起点にして時計回りに不動産価格や地価は上がっていくという現象がある。都心3区が落ち着き、城南もの伸びは止まりつつあり、城西が伸びを継続しているということだけから言えば、もうすぐ前半戦が終わりそうな雰囲気でもある。

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