英国長者番付、英国勢が上位消滅の危機

 英紙サンデー・タイムズが発表した英国の長者番付で、1位はヒンドゥージャ兄弟で、119億ポンド(約2兆4000億円)だった。ランキング上位のほとんどが華僑、インド系、ロシア系で占められる、ウィンブルドン現象は今回も変わらなかった。地元英国勢は10位のウエストミンスター伯爵だけとなった。

◆英長者番付(資産額)
1 ヒンドゥージャ兄弟 119億ポンド
2 アリシャ・ウスマノフ 106億ポンド
3 ラクシュミ・ミッタル一族 102億ポンド
4 レン・ブラバトニク  100億ポンド
5 エルネスト・ベルタレリ 97億ポンド
6 ジョン・フレドリクセン一族 92億ポンド
7 デビッド&サーモン・ルーベン 90億ドル
8 ルーベン・ラウジング 88億ポンド
9 ローマン・アブラモビッチ 85億ポンド
10 ウエストミンスター伯爵 85億ポンド
※敬称略


ヒンドゥージャ兄弟
 ヒンドゥージャ兄弟はインド系財閥で、エネルギー、金融から自動車など幅広く手掛ける。2位ウスマノフ氏はロシア系で、英プレミアリーグのアーセナルのオーナーとしても知られる。3位鉄鋼王ミッタル一族もインド出身者だ。

 英国自体が、大富豪や超富裕層を積極的に呼び込んでいるため、2013年のロンドンの地価は7.5%上昇した(ナイトフランク調べ)。超富裕層以上の間では、不動産取得はリゾート地よりも、大都市での取得する傾向が強くなっており、今後もロンドンへの金の流入は続きそうだ。東京13%、NY10.4%もそれぞれ上昇している。

 もちろん、ウエストミンスター伯爵のようにロンドンの一等地の不動産を多数保有する、昔からの階級社会の上部に位置する大富豪もいるが、今後はさらに海外からの移民が進んでいくことは間違いない。

 というのも、英当局の移民政策の諮問委員会が、世界初の「オークション」形式のビザ取得誕生の可能性に言及した提案を行ない、導入を検討しているからだ。

 現状のビザ取得は、100万ポンド(約1億7000万円)の投資から可能となっているが、新たなプランは最低250万ポンド(約4億2600万円)以上の金額を積み、少ない人数枠でオークションを行うというものだ。最低滞在期間は3カ月と短く、人気化しそうだ。施行可能性はわからないが、とにかく世界中からリッチを呼び込みたい意欲が旺盛であることに間違いはない。

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