勝ち組も負け組も「株主優待狙い」、その差は?

 元棋士で個人投資家の桐谷広人さんの活躍などによって、優待銘柄投資が以前にも増しして盛り上がっている。しかし、成功している投資家も、失敗している投資家も株主優待を目的とした投資が多いのだ。その差はどこにあるのか?

 「ダイヤモンド・ザイ7月号」の特集「投資とお金の1万人大調査」に興味深いアンケート結果が出ている。

 資産1億円以上でしかも、直近1年間の投資のリターンが30%以上という、いわゆる「勝ち組」が挙げる株式投資のスタイルは次のようなものだった。
1 高配当狙い 53%
2 割安株投資 47%
3 株主優待狙い43%

 その一方で、「負け組」のスタイルは次のようなものだった。
1 株主優待狙い 45%
2 高配当狙い  29%
3 ローリスクローリターン 21%

 上位3つのうち、株主優待と高配当株と、2個までが同じだ。これだけを見ると不思議な結果でもある。一つ考えられるのが、株主優待だけを目的に株を保有している可能性
があるということだ。

 例えば、優待人気銘柄オリコンは、今年の5月にタレントの図柄入りの図書カードの廃止を発表し、直後から株価は下がっている。優待目的で買っている人はおそらくは売るだろう。


桐谷広人さん
 むしろ、高配当、割安度との組み合わせて、株主優待に何が付属してくるのかを考える必要性がある。割安時は配当利回りも相対的に良くなりやすく、また、負けにくくなるからだ。実際に桐谷さんも、優待目的で買うわけだが、それまでの意思決定として、ファンダメンタルや株価の動きも見た上で、配当+優待という視点を常に持ち合わせて分析している。

 かつては、電力会社株を株価が低迷している時、つまり配当利回りが良い時期に購入し、株価が上がって配当利回りが下がってきたら売る、という取引を繰り返して、という取引をしていた地方の老人は意外に多かったという。それと似たようなものだろうか。

 つまり、適切な買い時、売り時が存在しており、優待銘柄でも買い時、売り時がある。若手投資家の中でも桐谷さんのように優待生活を目指す人が増えてきているが、まさしく、桐谷さんへの道も1日にしてならず、だ。

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