アリババ馬氏、投資ビザで香港永住を否定

 中国一の大富豪に躍り出ることが確実となった、電子商取引大手アリババ創業者のジャック・馬氏(49)が香港に投資ビザを申請して移住する権利を獲得し移住すると一部のメディアが伝えたが、ソーシャルメディア上で正式に否定した。


馬会長
 アリババは現在、NY証券取引所への新規株式上場(IPO)のロードショーの最中にあるが、250億ドル(約2兆7000億円)の史上最大の資金調達を行う予定だ。創業者であるジャック・マー氏は8.9%にあたる2億610万株を保有している。グループ会社アリペイの株式なども合わせて、総資産は2兆円以上となり、中国1位の大富豪になる見通しだ。

 香港の投資ビザは1000万香港ドル(約1億円)以上の資産を投資することで、その居住権を得ることができる。中国本土からの富裕層も多く申請している。キャピタルゲイン課税、相続税などのほか消費税もないなど、税制は魅力がある。また香港のパスポート保持者は、150以上の国や地域へのビザなしでアクセスが可能で、居住拠点とするには魅力が大きい。

 米フェースブック上場の際に、創業メンバーの一人であるエデュアルド・サベリン氏が、米国籍を外してシンガポールに住所を移していたことになり、米国内では大きな騒ぎとなった。

 このクラスの大富豪になると、複数の国に居宅をすでに持っていることが多く、誤解を招き報道されてしまうこともある。例えばこれまでには、ベルナール・アルノー氏のベルギー移住報道、ジョン・ポールソン氏のプエルトリコ移住報道などがあった。

 ちなみに、マー氏は香港に3600万ドルのペントハウスも所有している。マー氏はウェイボで「わたしは杭州の男で、いまも上海にいるし、今後もその計画はない」とは完全否定した。

 ハルンレポートの調査では、中国人富裕層で海外移住を希望する人は64%、英投資銀行バークレイズの調査でも50%を超えていた。カナダと米国の投資ビザプログラムは中国人の申請過多で停止になるほど。今後もこうした報道はたびたび出るのだろう。

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