ベルギー資産移転2.4兆円、仏大富豪

 フランスの大富豪たちがオランド政権になってから隣国のベルギーに資産を分散させているケースはよくあるが、その資産総額が170億ユーロ(約2兆4000億円)に上ぼることが仏紙レゼコーの報道でわかった。


ベルナール・アルノー氏(右から2人目)
 決して脱税や亡命というわけではなく、簡単に移すことができるために、今ない始ったことではなく、これまでにも行われている。実際には、LVMH会長のベルナール・アルノー氏をはじめ、多くがすでにベルギーにも邸宅を構えているなどしていることからも明らかだ。

 オランド政権は就任からいきなり所得税率の最高税率を75%に引き上げることを公言したり、今後も財政再建のために富裕層に対しては厳しい姿勢で臨ことが予想されることから、こうした動きが進んでいるとみても良いだろう。もちろん資産課税はなされる。

 今回の資産移転の集計の対象には、ベルナール・アルノー氏や、元仏政府閣僚のベルナール・タピ氏らの名前があるのだという。

 アルノー氏と言えば2012年にベルギー国籍との報道がなされ、かなりの声があがったために後に否定するコメントを出してもいる。当時は、仏の名優ジェラール・ドパルデュー氏が、フラットタックスを採用するロシアに移住した。

 つい先日も、中国電子商取引大手アリババ創業者のジャック・マー氏も香港に3000万ドルのタワーマンションを保有するなどしており、香港の投資ビザを取得したと報じられて公式に否定のコメントを出している。

 大富豪や富裕層たちは本国での本業へのイメージ上、実質的には移住は難しいが、資産移転は少しずつ見えないところで進んでいるようだ。

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