セイコー創業家白金不動産はシンガポール不動産会社が300億円で取得

 東京都港区白金のセイコーホールディングス創業家・服部家の土地を、シンガポールの大手不動産デベロッパー、シティ・デベロップメンツが305億円で取得していたことがわかった。セイコーは売却発表に際して、相手先を公表していなかった。

 この土地は、東京都港区白金二丁目498番の土地と建物で、遊休不動産となっていた。
面積は約1万7000平方メートル。前身となる服部時計店を創業した服部金太郎氏が1933年に建てたもので、設計は帝国ホテルなどの設計でも知られる高橋貞太郎氏。戦後はGHQの所有物になり、東京裁判の判決文も掛れるなど歴史的な背景を考えても白金の高級住宅街を代表する邸宅でもある。


取引された土地と建物(グーグルアースより)
 服部家の資産管理会社の三光起業が所有してきたが、お家騒動の際にセイコーHDが210億円で買い取っていた。ただし、これだけの広大な敷地をどのように運用していくのかは難しく、売却が最も有力な選択肢と見られてきた。

 この周辺は新興宗教法人が本部機能を置くために、拡大のために広い土地を探していると言われてきた。売却先探しはかなり難航したと見られる。

 セイコーHDは「この土地と建物のの歴史的意義を特別にご配慮いただけるようお願いし、ご理解いただきました」としている。

 シティ・デベロップメンツもその意図は理解しているようで、発表では「高級コンドミニアムを建設するためのポテンシャルがある。服部氏が守ってきた歴史的な意義を盛り込みながら計画していきたい」としている。高級マンションとなることが予想される。

 シンガポール政府は同国内での不動産投機を抑制しており、国外市場にも活路を求めていた。

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