超富裕層向けスキーリゾート不動産値上がりランキング、欧米で優劣ハッキリ

 スキーリゾート不動産資産の価格インデックスの推移が発表され、1位はニュージーランドのクイーンズタウンだった。2~6位までは北米が占め、アルプスなど欧州勢は回復が遅く劣勢となっている。

 スキーリゾート不動産の動向は、富裕層や超富裕層たちにとってのセカンドホーム市場を見る上でも重要な指標となる。大きな特徴としては、上位20地区の中でも、北米勢が上位をほぼ独占しており、欧州勢との差が開いた格好だ。また、今後の成長性や利回りを考えた結果なのか、リゾート不動産には熱心ではなかったとされる中国人富裕層も
大きな潜在勢力となっているようだ。

 英不動産調査会社ナイトフランクによる調査結果は次のとおり。

1 クイーンズタウン 24.8% NZ
2 アスペン     20.7% 米
3 ヴェイル     19.0% 米
4 ビーバークリーク 14.3% 米
5 テルライド    13.1% 米
6 ウィスラー    9.7% 加
7 モルジヌ     6.7% 仏
8 ウェルマット   5.5% スイス
9 ヴェルビエ    5.0% スイス
10 ダボス      4.9% スイス



 1位はニュージーランドを代表するリゾート、クイーンズタウン。その理由について同社は「ニュージーランドの景気回復や低金利が海外からの投資呼び込んだ結果で、トップリゾートであるクイーンズタウンの不動産価格上昇に拍車をかけている」としている。

 欧州はモルジヌをのぞいては、フランス勢が軒並み弱く、上位はスイス勢が多かった。注目は11位に今年2月にソチ五輪が開催されたロシアのソチが入ったこと。ロシア国内では有名なリゾート地だったが、五輪開催により海外にも知られることになった。

 フランスのアルプスの不振だが、購買者の61%が欧州からで、海外からは39%にとどまったことも理由だろう。その中でアジアは12%にとどまっていた。

 また、ランキングからわかるのはアクセス面も大きな要素になっていること(下図参照)。かつての高級湯リゾートのクールシュベルのようなアクセスが難解な場所よりも容易なモルジヌ、ダボス、ヴェルビエなどが人気となっているようだ。こうした場所の1000万ユーロ以上(約13億6000万円)の物件に需要が多い。


 スキーリソゾートをセカンドホームに持ちたいと希望する超富裕層の割合は、中国25%、米国20%と割合が高く、米国リゾートが強い理由はここにもありそうだ。一方でロシア17%、英国10%と相対的に低くなっている。
 
 ちなみに、アルプスのクールシュベルと、ロンドン中心街の高級住宅街を14週間の賃貸利回りで比較すると、クールシュベルが6.7%、ロンドンが2.8%となっていた。今後は都市部に集中させていた中国人富裕層らも、今後の見通し次第ではリゾート投資に資産配分をより行う可能性もある。

 また、北海道倶知安町のニセコリゾートも同レポートに名前が出てくる。オーストラリア、香港の富裕層が人気に火を付けたが、円安で再度地価が上昇に転じている。アジアの富裕層顧客とは今後は、2018年冬季五輪が開催の韓国ピョンチャンが競合になるとしている。

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