外国人による東京の不動産投資66%増

 海外投資家による東京の不動産投資額が前年よりも約7割増加し、投資額は46億3300万ドルに達したことが、クッシュマン&ウェイクフィールドの調査結果で明らかになった。

 13年7月~14年6月までの期間の国境を越えたクロスボーダー投資額は、総額で46億3300万ドルに到達し、対前期比で66.2%増加となった。都市別のランキングでは、世界8位だった。1位はロンドン、2位はNYだった。



 また、国内の取引も加えれば、354億6700万ドル(30.4%増加)で、こちらはニューヨーク、ロンドンに次いで世界3位となった。

 シンガポール政府系ファンドのGICが、JR東京駅前の東京センチュリープレイスを約1700億円で買収することが決定。最近では他にも、大手町タワーが東京プライムステージからみずほ銀行へ1700億円で、目黒雅叙園(アルコタワー含め)が約1300億円でローンスターから森トラストへ移るなど大型取り引きは多くなっている。

 クッシュマンのカルロ・サンタルバーノCEOは「ニューヨーク・サンフランシスコ・ロンドン・ベルリン・東京・シンガポールといったゲートウェイ都市が投資家にとって今後とも主要な投資対象都市であり続ける一方で、投資マインドの回復やファイナンスが利用しやすくなったこと、コア市場で供給が不足していることに起因して、投資家の関心がより広い地域に向かっていることが明らかになってきています」としている。

 地域ごとの特徴は次のとおり。

◆米
 北米の投資活動は14.3%増加。クロスボーダー投資が47%増加したことが主因。北米における海外投資家のシェアは8.8%から11.3%に増加し、カナダ・中国・オーストラリアからのマネーが市場を牽引した。その一方で、中南米では経済成長が弱く投資家マインドを減退させた。

◆アジア太平洋地域
 アジアでの投資活動は5.5%増。年金基金や保険会社が不動産へのアロケーションを引き続き増やしているため、アジアにおける不動産への安定した需要と高い流動性は保たれているが、不確実性が高まり、融資条件が厳格化され鈍化した。

◆ヨーロッパ、中東アフリカ地域
 全体で30%増加したが、市場毎に安定さを欠いた。英国とスウェーデンは好調ながら、かつて困難に直面した周辺市場は現在、アイルランドとスペインは回復途上。

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