ディズニーの税率は0.3%だった

 米ウォルト・ディズニー・カンパニーがルクセンブルク、ケイマン諸島の子会社を経由することで、2010~13年までの4年間で税率をわずか0.3%に抑えて節税していたことが、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)の調査結果によって明らかになった。


アナと雪の女王(FROZEN)より
 ディズニーは「アナと雪の女王」がアニメ映画史上の興収記録を更新中で、10億ドルを超えており、業績拡大に大いに貢献している。そうした中で、2010~13年までの4年間で主に欧州の事業会社を中心にした、節税が行われていたことが明らかになった。

 ルクセンブルクは人口わずか55万人の欧州の小国だが、ここ10年は世界の最大の租税回避のハブとなっている現状が浮かびあがる。今回のICIJの調査結果ではディズニー以外にも、多くの企業がルクセンブルク籍の子会社を使うことで節税を行っている。これは、隣国フランスやドイツ、イタリアなどのような高い法人税の国から逃れてきた場合が多い。

 ディズニーはルクセンブルクに3つの子会社を置くことで、配当、融資を還流させることで税率を低く抑えてきた構図が浮かびあがってきた。子会社は以下3社。
「Wedco One」
「Wedco Two」
「Wedco Participations」

 2010~13年までの税引き前利益が、10億3559万ユーロ。税引き後の利益は10億3279万ユーロ。支払っている税金は、280万ユーロで税率はわずか0.3%にしかすぎない。

 子会社は、ケイマン諸島を経由して配当金をもらいながら、欧州の事業会社に融資として貸し付けを行い、現金を還流させている。

 ICIJによると、貸付残高は合計で約8億ユーロ、配当金は8億3693万ユーロとなっている。

 ディズニーが行ってきたこれらのスキームは、大手会計事務所のアーンスト&ヤングの助言によって行われていたことがわかったが、同社はコメントは出していない。

 また、ルクセンブルクはパテントボックスという、知的財産に絡む所得による利益について所得控除や低税率を導入している。ルクセンブルクは5.76%と低く(フランス15%、スペイン15%、イギリス10%)、ドルチェ%ガッバーナは、有限責任会社の「Gado S.à r.l.」(ガド)を設立し5年間で閉鎖した。アルマーニ、プラダなどの高級ブランドも同様の節税を行っていた。






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