プリンストン大史上最高額360億円寄付、親子3代の貴重コレクション

 米プリンストン大学は、卒業生から3億ドル(約358億円)に上る貴重な古書の寄付を受けたと発表した。同大学史上では最大の寄付で、グーテンベルグが印刷の聖書、ベートーベンの作曲スケッチをはじめ歴史的な価値の高いものばかりだという。点数は2000点以上。

 寄贈されたものは、1455年のグーテンベルクによる印刷の聖書、ベートーベンによる1815~16年の間に書かれた音楽のスケッチブック(直筆サイン入り)、バッハ、モーツァルト、ワーグナーらの音楽関連のスケッチなど芸術関連のものが大量にあるという。

 また、リンカーン大統領の演説原稿、南北戦争時の南軍のユリシーズ・グラント将軍の手紙など政治史の貴重な資料などもある。


William H. Scheide氏
 このOBは昨年末に100歳で亡くなった、William H. Scheide氏。今回寄贈された貴重なコレクションは、祖父の代から開始されて代々受け継がれていたといい、自身も体が不自由になった死の直前まで夫人や家族の助言を得ながら収集活動を行っていたほどだという。ペンシルベニア州に生まれ、6歳からピアノを学び、プリンストン大では歴史を選考。コロンビア大では音楽の修士号を取得している。

 卒業後は、公立学校の学生の補助基金の運営、プリンストン大の学生の修学補助の基金運営などフィランソロフィストとして活動し1994年にはプリンストンから名誉博士号が授与されている。

 プリンストン大学クリストファー・アイスグルーパー学長は「William H. Scheide氏の寛大さ、永遠の献身について感謝いたします。貴重なコレクションの数々が当図書館に存在することはとても想像がつかないような出来事で、コレクションを通じて多くの学生が学ぶ機会ができます」と述べている。

 昨年は、米国の大学ではハーバードで超大口寄付が相次ぎ、公衆衛生大学院(HSPH)に香港のハンルングループの陳楽宗、陳啓宗の兄弟から3億5000万ドル、著名ヘッジファンドマネージャーのケン・グリフィン氏から1億5000万ドルの寄付を受けるなどしている。

 今回の寄贈はプリンストン大史上で最高額の寄付だが、金銭はいつかは消えるが、それ以上に受け継がれていく文化的な資産としての価値は想像以上に大きい。
 
◆2013年度寄付総額ランキング※参考
1 スタンフォード  9億3157万ドル
2 ハーバード    7億9226万ドル
3 南カリフォルニア 6億7451万ドル
4 コロンビア    6億4666万ドル
5 ジョンズホプキンス5億1857万ドル
6 ペンシルベニア  5億661万ドル
7 コーネル     4億7496万ドル
8 ニューヨーク   4億4934万ドル
9 イェール     4億4417万ドル
10 デューク     4億2366万ドル
(Council for Aid to Education調べ)

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