結婚、離婚で投資運用パフォーマンスは下がる

 投資のパフォーマンスは、その人の習熟度にかかわらず精神状態に大きく左右されるとも言われるが、それはどうやら本当のようだ。 

 ヘッジファンドマネージャーの結婚、離婚によって、運用パローマンスがどのように変化するか、フロリダ大学経営大学院のヤン・ルー氏らの研究結果によると、結婚の前後6カ月については、パフォーマンスが年率8.50%落ち、同様に離婚の前後の6カ月は、7.39%落ちていることが明らかになった。

 「ファンドマネージャーが離婚したのなら、すぐに償還する。なぜなら、感情的な負担は大いに影響するからだ。無条件に10%、20%は資金を引き出した方が良い」

 これは、最も成功したヘッジファンドマネージャーの一人であるチューダー・インベストメントのポール・チューダー・ジョーンズ氏が2013年5月にカンファレンスで述べたもの。数百億円、数千億円規模の大金を運用するというただでさえ精神的な負担が過大な職業に、その上に人生の大イベントである結婚、離婚が重なると、なかなか運用成績は振るわないようだ。

 ジョーンズ氏はヨガに傾倒しており、また、業界で屈指の運用規模を誇るブリッジウォーターアソシエイツのレイモンド・ダリオ氏は瞑想を日課とするほど。パフォーマンスは精神の安定の上に築かれるものであるという考え方は実は信奉されてもいる。

 この調査は、ヘッジファンドリサーチ、バークレー、タス通信、モーニングスターなどのデータを使用して、3万1542のヘッジファンドをサンプルにした。そのうち現存するファンドは1万8295。

 米国13の州を調べて、ファンドマネージャーは対象の786人で、結婚857件、離婚251件だった。

 結婚、離婚それぞれ、イベントの前6カ月、イベント後の6カ月の合計1年間のパフォーマンスを見ると、ともにその前年から落ちていたことが判明した。

 ジョージ・ソロス、スティーブ・コーエン、さらには現在は夫人と係争中のケネス・グリフィン氏ら有名どころでも離婚の話題は多く出てくる。立ち直ることができるかどうかだろう。

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