マンダリン・オリエンタルでマルウェア被害

 高級ホテルチェーンのマンダリン・オリエンタルはこのほど、クレジットカード決済のシステムでマルウェアが発生したと発表した。同社は追加のセキュリティ策を講じた上で、原因を究明し、法的な対応も検討している。高級ホテルを狙うマルウェアの存在が業界の関心事になっている中での発生に、業界では重く受け止められている。


 マンダリングループの発表によると、ここ18カ月の間にクレジットカード決済のシステムでマルウェアが検出されたという。個人情報の被害などについては現在はまだ未確認だというが、ホテルは顧客に心配であれば確認するに越したことはないと注意を促している。

 また、マルウェアはこれまでの「すべての抗ウィルスセキュリティで検出できなかった」としており、原因や流入経路などは不明。また、被害状況としては「米国と欧州の一部であり、詳細は把握できていない」としている。アジアなど他の地域などについては調査中だという。その上で、現在は追加的なセキュリティ対策を改めて進めているところだという。

 同ホテルは「不正なサイバー攻撃の一種であるが、業界全体の関心ごとになってきている」としているが、実はセキュリティ面で唯一不安視されているのが、こうしたサイバー被害だ。

 高級ホテルのスイートなどは社団されている空間で、外界から遮断されているということから、富裕層らは安心するものだが、実際にはここ数年間は、マルウェアに感染させて、機密情報などを抜き取るという被害も実際に報告されている。「Darkhotel(ダークホテル)」というのマルウェアなどがすでに発見されて、よく知られている。

 英調査会社ナイトフランクの調査では、資産3000万ドル以上の超富裕層の心配ごとの一つとして、サイバー犯罪が挙がっており、76%が心配をしているというデータもある。

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