マイナンバー制今国会通過目指す、富裕税も容易に?

 マイナンバー制度が閣議決定され、今国会での法案可決が目指されることになった。預金口座に番号を付与して、複数の口座情報を関連づけ、税務調査の効率や生活保護の不正受給防止などにも活用する。個人の金融資産が捕捉しやすくなることで、戦後の一時期に導入されていた富裕税復活などの過去がよぎる。

 マイナンバーは2016年からはまず、税や社会保障分野で使用されるが、18年からは口座情報も使用されるようになる。当面の間は拘束力はないものの、いずれは義務化される見通し。個人の複数の口座情報が地位元的に管理されるために、捕捉が容易となる点で、税務調査も容易となる。

 日本では過去に、1950年(昭和25)~52年(同27)の3カ年度で、シャウプ勧告によって「富裕税」が実施された。その際の税収額は、25年度5.2億円、26年度9.6億円、27年度22.3億円だった。

 しかし、わずか3年で終わった理由としては、土地家屋の把握は容易にできたものの、預貯金についての把握が難しかったこともある。また、資産はあるものの収入がない人が資産を食いつぶすという悪影響もあった。

 ただ、マイナンバー制によって把握することが可能となり、戦後すぐの時代よりも富裕税などの財産課税は容易な環境ができる。

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