富裕層妻の「離婚天国」ロンドンでまた妻勝利

 米プライベートエクイティのローンスター元役員ランデイ・ワーク氏が前夫人との間で戦っていた離婚訴訟で、ロンドン高等法院から解決金として7230万ポンド(約131億円)を支払うよう命じられた。結婚後に2人が決めた契約で支払いは500万ポンドであるとするワーク氏の主張を大幅に上回る解決金となった。ロンドンは夫人にとっての「離婚天国」の状態は続いている。

 英フィナンシャルタイムズによると、夫ランディ・ワーク氏は米国在住時に、マンディ夫人と結婚した。子供は2人で2013年には離婚して、それぞれ別居している。ワーク氏は一時は日本で勤務し不動産事業にもかかわったという。

 ランディ氏は現在は英国在住だが、米国在住時に夫婦2人の間で結婚後に離婚で争うことになった場合の解決金として500万ポンドを夫人に分与することを取り決めていたという。

 ロンドンは富裕層が居住を希望する高級住宅地だが、離婚を希望する妻側にとっても天国のような場所となっている。それはつまり、離婚解決金が高額になる傾向が強いからだ。

 たとえば昨年には、JTなどの株主として日本でも知名度が高い英ヘッジファンド運用会社「ザ・チルドレン・インベストメント」(TCI)創業者のクリス・ホーン夫妻の離婚の訴訟では、世界7位となる5億3100万ドルの支払いが命じられるなど、夫側の主張はほぼ通っていない。

 ロンドンでは基本的には五分五分の財産分与が主流であり、夫の主張はあまり認められないケースが多い。妻側としては1億円、2億円の訴訟費用を支払ったところで安いものだ。

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