三重県伊賀市がふるさと納税で、著名個人投資家BNF氏が1500万円の寄付を行っていたことでも知られる純金製手裏剣の贈呈を3月末で終了することを決めた。高額贈呈品や金券の類が総務省から指導を受けており、ふるさと納税を巡る控除額の拡大推進と、高額化という課題が浮かび上がる。
伊賀市はふるさと納税で500万円以上の寄付があった人に純金製手裏剣を贈呈しており、昨年末に東京・港区在住のBNF氏が1500万円を寄付していた。
同市総合政策課によると、BNF氏は同市とはゆかりはないものの「伊賀忍者を使った観光PRのために役立ててほしいということで、お振り込みいただいた」という。市も今後は観光行政に役立てたい意向を持っていた。
総務省はすでに各自治体に文書を配布しており、さらに先日の衆院予算委員会で高市早苗総務相が「税法上の問題がある」と指摘している。文書によれば、「換金性の高いプリペイドカー^ド等」「高額又は寄付額に対し返礼割合の高い返礼金」とある。これまでには、石川県加賀市の1企業のサービスに利用できる金券が廃止となった先例もある。
他にも自治体によっては、クオカード、Tポイントの進呈など地元の特産品とは無関係の金券の進呈を行うものもある。
ふるさと納税は2010年から2011年で、寄付金額が約10倍の649億円に増加。東日本大震災の発生のために、多くの人が東北地方の自治体にふるさと納税をした結果が表れている。現在は各自治体がPRや特産品の消費のために、特産品の進呈を行うようになり、注目されるようになった。そのため、株主優待的な位置づけにもなっている。
一方で、現在は年収1800万円以上の人についてだけ2割の全額控除が認められているが、総務省は、それ以下の人にも2割まで控除枠を拡大していく方針でもある。