SEC(米証券取引委員会)は、NYジャイアンツなどで活躍した元NFLのスター選手ウィル・アレン被告(34)が、高配当を謳って投資家40人から総額3000万ドル以上を集めたとして、詐欺罪で起訴したことを明らかにした。
ウィル・アレン被告は2001年のドラフトでは1巡目22位でNYジャイアンツに指名され、CBとして活躍した。2010年にはフェラーリで飲酒運転したために逮捕され、2012年中に引退した。
契約が決まっていない現役選手たちに、つなぎの生活資金として資金を貸し付けて、その金利を投資家に分配するというもの。「キャピタル・フィナンシャル・パートナーズ」という会社を知人と設立し資金を集めた。
初公判にSECが提出した資料や、同社サイトによると、2012~13年の間に、投資家40人から総額3170万ドルの資金を集めた。アスリートは最低7万5000ドルから借り入れ可能で、年間60万ドルまでが上限となる。金利は9%から最高で18%に設定されている。投資家には月9%が分配されるという。
ただし、アスリートへの貸付は1800万ドルにとどまり、自身たちで使ったものは700万ドルにも及んでいたことが明らかになって、実際には貸付けされないまま、投資資金をタコ足配当に使っていたという。
このスキームに対して、ポール・レベンソンSECボストン事務所ディレクターは「投資家にはお金が返っていないポンジスキームだ。単なるイリュージョンでだましてきただけだ」としている。