仏香水ブランドのニナリッチの創業者ニナ・リッチ氏(1970年没)の相続人で孫にあたる、アルレット・リッチ被告(73)がHSBCの口座を利用して脱税で逮捕・起訴されていた事件で、パリ地裁は13日、被告に対して懲役3年、罰金105万ユーロ(約1億3332億円)の実刑判決を言い渡した、とロイター通信が伝えている。
リッチ被告は、HSBCの社員だったファルチーニ氏による2008年の内部告発によって、脱税の疑いが仏税務当局に発覚。パリ警察は2011年に仏国内の自宅で脱税の疑いで逮捕していた。
ICIJの調査リストによると、手口としては、HSBC口座を利用して、2200万ドルをフランスからオフショアであるパナマ法人に資金を移動させるなどして、脱税するというものだった。HSBCの口座を3つ開設しており、もうひとつは代理人の口座に190万ドルを移し、残りの口座には入金はなかったという。日本円にして、約30億円を隠していたことになる。
【1】 パリタ・コンパニア・フィナンシェラ・SA 2250万ドル
【2】 MYR アソシエイツ 190万ドル
【3】 ? 0ドル
2013年に代理人は仏紙ル・モンドの取材に「すべてを争う」としていた。
パナマは世界最古のオフショアセンターの一つとして知られる。居住実態を問うこともなく、本人が法人の役員や株主である必要はないため、無記名で法人を設立することができるなどの利点もあり、中南米では人気が高いオフショアで現在も使われている。