米大手ヘッジファンド運用会社DEショー&カンパニーは23日、自社の株式20%を、グーグルのエリック・シュミット会長が取得したと発表した。取得額は非公開。経営破たんしたリーマン・ブラザーズが保有していた株式が対象。
同社はコロンビア大学コンピュータサイエンス教授だったDEショー氏が1988年に創立し、クオンツ戦略を得意とし、現在の運用総資産額は330億ドルに上る大手ヘッジファンド運用会社となっている。初期メンバーには、アマゾン創業者ジェフ・ベゾス氏が幹部にいたことでも知られている。
リーマンショック前は各銀行や証券がヘッジファンドビジネスに進出していたが、リーマンも2007年に業界進出のため、DEショー株20%を取得するにいたった。しかし、2008年に経営破たんしてしまうため、その後は管財人の管理下に置かれていた。
今回の取引はシュミット氏のファミリーオフィスである、ヒルスパイアが買い取りを行い、DEショーのマネジメントと運用方針が変わることはないという。
シュミット氏は「わたしは長年、ショーを知っているし、最高の敬意を払ってきた。長年においてテクノロジーを活用し世界の幅広いアセットクラスに投資している会社に投資できる機会を得られたことに満足している」とコメントしている。
取引価格は非公開だが、2007年の取引時のWSJの報道によると、7億5000万ドルから8億ドルだとされていた。2007年と現在の株価などの水準から考えれば、そのくらいか、もしくは少し高いと見られる。