中国の富裕層が海外不動産投資で好む都市のランキングで、1~7位まで北米が占めていることが、HURUN REPORTの調査結果で判明した。1位ロサンゼルス、2位サンフランシスコで、特に西海岸が人気を集めている。背景には投資と、子供の教育とを組み合わせた考え方がある。それが同時に不動産売却までのサイクルに影響を与えてもいる。
HURUN REPORTの調査結果によると、中国人富裕層が購入する不動産としては、600万人民元(約1億1000万円)。予算としては、全資産の3分の1程度に収めるという。都市としては、特に米国、カナダの北米が強く、西海岸が人気となっている。他は、オーストラリア、NZ、シンガポールなどが入る。
1 ロサンゼルス 18%
2 サンフランシスコ 16.5%
3 バンクーバー 13.6%
4 NY 9.9%
5 シアトル 8.5%
6 トロント 7.7%
7 ボストン 5.5%
8 シドニー 2.2%
9 メルボルン 1.8%
9 シンガポール 1.8%
9 NZ 1.8%
9 イギリス 1.8%
子供の教育にプラスしての不動産取引となる。そのため、永住ではなく将来的な売却を
視野に入れたものとなる。リスク分散のための購入が19.8%で、子供の教育という要素は
投資と同じくらいの割合を占める19.4%となっている。購入する場所も、学区にある不動産が半分以上を占めている。
市場環境もそうだが子供の教育という要素が影響を与えているようで、購入から売却までのサイクルが長くなっているという。10年前は購入から2年で売却していた。これは、米国の住宅市場が良かった時代でもあるが、現在は購入から8年に伸びている。これは、子供が大学を卒業するまでという要素が含まれているからだろう。
HURUN REPORTの推計では、中国人富裕層の数は約170万人となっている。