タワマンは高層階ほど値崩れ? 爆買いの富裕層は要注意

 相続をはじめとして節税対策で、東京都内のタワーマンションの高層階や億ションを日本の富裕層が物色している。節税目的だったはずが、購入の目的がマンションに興味が湧いてきたので、複数買いをする人も出ているという。しかし、注意が必要なのは、タワーマンションは高層階よりも、低層階の方が値崩れがしにくいという調査結果が出ている点だ。

 マンション掲示板サイト「住まいサーフィン」の調査「タワーマンションの階層別流通量と騰落率」によると、次の二つの傾向が明らかになった。

・タワーマンションの低層・中層に比べて高層階の売り出し率(流通量)は高い
・新築時と比較して中古騰落率が最も高いのは低層、実需はタワーマンション低層階が狙い目
※同サイトの中古事例データベースを使用したもの。


 都心部で見れば、低層階の騰落率が20%と目立って高く、これは中古売り出し率で高層階よりも26%と低いため、そのあたりの需給関係が反映されているようだ。つまり、高層階は売りものが出やすいが、かなり高スペックで高価格のために、購入できる層も限られてくるためか、騰落率も低層階の20%の半分の10%にとどまっている。


 逆に23区西北(中の、杉並、豊島、北、板橋、練馬)では、高層階は騰落率が8%の下落となっている。また、都下においては、全体的に下落しており、やはり、都心部限定の買い物であることがわかる。埼玉、千葉ではともに騰落率はマイナスになっている。結果としてお買い得なのは、都心部のタワーマンションの低層階ということになるが、とにかく高層階の複数買いという人は注意が必要だろう。

 実は、タワーマンションでは複数戸買いは普通に行われている。これは抽選の関係で、当選確率をアップさせるためには複数申し込みを入れておくのは常識ではあるが、仮に複数戸当選すれば、すれはすべて購入しなければならなくなるので、富裕層でもかなりの資金がある人限定の方法となる。例えば3戸申し込んで2戸当選し、全部購入したなどという話は伝わってくる。

 だが、話はこれで終わりではなく、大手不動産デベロッパーの営業マンによると、例えばタワーAで高層階2戸購入、タワーBで同1戸購入したという地方の開業医がいたのだという。「最初は節税目的だったみたいですが、モデル巡りをしているうちに、不動産が好きになったようで、また、タワーを購入したいとのことでした。コレクターのような感覚ですが、時々こうなる方はいらっしゃいます」という。

 これを爆買いというのかどうかはともかく、売却時に価格が最低限下がっていないという資産性で購入するため、下落は避けたいところだ。高層階の複数戸買いは要注意だ。

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