ドイツのフェラーリオーナーがサーキットで運転中に事故を起こし全損したために、修理費用21万ユーロ(約2853万円)をクラウドファンディングで集めようという試みが行われている。車体は黒のフェラーリ458スペチアーレで出資は1口3.99ユーロから、出資者が5000人以上集まれば抽選で1人に使用する権利を付与するという。オーナーの素性は詳しくはわからないものの、この前代未聞の試みは果たして成功するのか。
このドイツのフェラーリオーナーは出資を募るために、わざわざサイトを立ち上げて、出資を呼び掛けている。ただ、そもそも保険に加入していないのかという疑問は出てくるが、実際にユーザーからその問いかけがある。
実は、サーキット上での事故という所がポイントで、日本の大手損保の自動車保険契約の但し書きには、「競技、曲芸または試験のために使用すること」「競技、曲芸または試験を行うことを目的とする場所において使用すること」という禁止項目があり、場所で言えばロードレースやサーキットレースなどのことを指している。つまり、募集する理由の一つには、保険が利かないということがあるようだ。
ちなみに、日本のフェラーリオーナー、レクサスオーナーら高級車オーナーによれば、自動車保険料は年間で三十数万円に上るという。高額になる理由は保険会社の事情として、◆過去記事:フェラーリ8台事故「保険金は難しい?」に詳しい。
今回の事故だが、公式サイトによると、ドイツのオーナーがフェラーリ458スペチアーレを、ニュルブルクリンクのコース内で走行中に事故を起こして、ほぼ全損状態となった。見積もられた修理費用は21万ユーロ(約2853万円)に上り、オーナーは「わたしはこの車を愛しており、クズ鉄にはしたくないのです」として、募集をスタートさせた。
ただ、修理費用を出してくれというだけではなく、出資者の意思を車体に刻むということで感謝の気持ちを反映しようというものとなっている。
コメント欄にはやはり、フェラーリの修理代金ということでエゴとも取られているようで、
「直すくらいなら、俺に譲ってくれ」「あなたの未熟な運転技術になぜ金を払うのか」などという反対意見もある。
フェラーリの修理代金が世間一般にどのように受け止められているかという意味でも、この問いかけは興味深いものとなりそう。