富裕層にはいつしか私的欲求が、より公的な社会に向けた承認欲求に変わる時があるが、米国のある富裕層がとんでもない社会的な実験プロジェクトを公表した。それは、世界中で生活に苦しむ難民60万人を集めて、国境や人種など関係なく、一つの島に集めて自分たちの国を作ってしまおうというダイナミックなもの。しかし、本当にできるのか?
「非論理的かもしれないが、現実的な解決策となるはず」としている。また、そのために世界中の子供が人身売買の対象となっていることなども理由として列挙している。
難民による独立国家だが、具体的にはどこにどれくらいの島をつくり、どのような国家運営を行っていくのか。また費用はどのくらいかかるのか、この前代未聞の計画にはわからないい部分が多すぎる。
まず、どこにという点だが、例えば人が住んでいるエリアに偏りが大きく土地が余っている米カリフォルニア州、1万7000以上の島を持ちその半数以上が名前も付いていないインドネシアなどを挙げている。そして、それ以外には新たに人工島をつくってしまうというオプションも提案している。
また、資金計画の予測が資料には記されていないのだが、いずれにせよ莫大な資金が必要になると見られる。その調達先としては次のような候補が考えられている。
・個人の大富豪、もしくは大富豪に匹敵するグループ
・どこかの政府
・国連などの団体
・NGO
・世界中からの寄付
・債券などを発行
・投資家
・企業スポンサー
このプロジェクトを考案したのは、米国の40代の富裕層ジェイソン・ブジ氏(Jason・Buzi)。名前に聞き覚えがある人もいるかもしれないが、昨年、米国カリフォルニア州で、「Hidden Cash」という宝探しゲームをしかけた人物だ。このゲームは、ツイッター上で宝を隠した場所のヒントをつぶやき、それを実際に見つけて獲得した人が、金品を得ることができるというものだ。
ちなみに、昨年のゲームはインターネット上で世界中の人々に知ってもらうことができたことを喜んでいるが「自分自身のプライバシーがなくなってしまった」とも語っている。
社会現象となった宝探しゲームから1年、すでにここ数年は島めぐりなど実地調査を行っているというが、あまりにも壮大なこの計画は前に進むのかどうか。