日本産のウィスキーが海外で人気化し、このたび香港で行われたボンハムオークションで、「軽井沢」(1960年)が日本のシングルモルトウィスキーとしては世界のオークション史上最高額となる91万8750万香港ドル(約1436万円)で落札された。ウィスキーが投資対象として高騰していることに加えて、日本国産ウィスキーの国際的評価の高まりが、中国や東南アジア富裕層らを中心に人気が出ているようだ。
同社香港でワイン担当のダニエル・ラム氏は「世界経済のスローダウンにも関わらず、このオークション結果は、ハイクオリティのウィスキーに対して強い需要が反映されているということ」と述べている。同社は11月にもウィスキーのオークションを予定しているという。
現在、2012年のワールド・ウィスキー・アワードで、「山崎」25年ものがシングルモルトウィスキー部門で世界1位となるなど、日本ブランドがすでに世界で最高の評価を受けるまでになっている。さらには、今回高値で落札された 軽井沢は日本で初めてモルトウィスキーが製造された産地としても知られるが、蒸留所が2012年に閉鎖されている。羽生も2000年に閉鎖されている。軽井沢はワールド・ウイスキー・アワード2014のシングルモルト部門1位を受賞している。
日本のウィスキーは20世紀初頭に竹鶴政孝によって日本国内に伝えられたため歴史は浅い。しかし、水や自然に恵まれた環境を生かした上で独自の研究を重ねて、海外勢からも細やかな製法と味わいに評価が集まっており、近年は山崎、白洲など世界的な賞を受けるなど評価が高い。また、日本産はオークションでは高額化しており、100万円超えも珍しくはなくなっている。
さらに美術品などと同様に投資対象としての魅力が加わっている面もある。昨年1月のサザビーズ香港オークションでは、スコットランド産のマッカランが1本62万8205ドルという、シングルモルトウイスキーとしては世界最高額を付けている。世界初のウィスキーファンド「プラチナウィスキー・インベストメント・ファンド」も立ちあがったほどだ。
同ファンドによれば、2011年11月~13年12月までに上位100のシングルモルトは230%のリターンになっているのだという。スコッチウィスキーの投資指数「IGS100」は、2008年から2012年までの間に292%となっている。