妻の要求から8300億円を死守したヘッジファンド業界盟主

 ヘッジファンド業界の盟主となったシタデル・インベストメント創業者のケンス・グリフィン氏(46)の離婚が、米シカゴ連邦地裁で今週正式に成立したことが明らかになった。資産69億ドル(約8279億円)を保有する大富豪だが、プリナップ(婚前契約)が効力を発揮したようで、出血は最小限度にとどまった模様だ。両社はコメントを出していない。

 地元紙シカゴ・トリビューンなどによると、米時間の8日に連邦地裁で弁論期日が入っていたが、6日、7日に事前に当事者間で話し合いがもたれたといい、その場でお互いが合意に達したようだ。条件内容は明らかにされていない。

 グリフィン氏と、夫人アンヌ・ディアス氏は2003年に結婚、ともにシカゴに拠点を置くヘッジファンドマネージャー同士というカップルで、3人の子供をもうけた。ところが昨年夏、3人の子供とともに旅行に出かけた夫人は、代理人を通じてグリフィン氏に離婚を通告してきたのだ。

 要求としては、財産分与のほかに、子供の養育費として月額1億円などもあったという。

 ただ、グリフィン氏はこれが二度目の離婚。最初の離婚で学んだのか、この結婚にあたっては財産分与は1%としていた模様だ。夫人は契約書にサインする際に「脅迫された」と主張するなどしていた。訴訟提起時にはグリフィン氏が分が悪いと見られていたが、結局はプリナップが大いに効力を発揮したようで、ディアス夫人側が折れたようで、話し合いに応じた格好だ。

 これで内なる敵を片づけたグリフィン氏、業界では報酬ランキング1位、資産ランキング8位。業界最高額となる72億円の年間賃料を支払うオフィスを構えた。加えて、NYの不動産取引では2億4000万ドル分購入するなど史上最高額を記録するなど、業界盟主としての座を不動のものとしつつある。あとはこれまで以上に運用に専念するだけだ。

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