ロシアの大実業家の1人、ミハイル・フリードマン氏(52)が、自身の4人の子どもたちに遺産を残す意思がないことを表明したと、ロシア版フォーブス誌が報じた。
5月19日に同誌のインタビューに応じ、現在133億米ドルと査定されている自身の資産を、慈善事業に投じるつもりであるとした。
ミハイル・フリードマン氏 ©Ilia Yefimovich
ロシアの大手投資銀行であるアルファ銀行の頭取であり、ロシアの複業企業大手のアルファ・グループの創業者であるフリードマン氏は理由を2点挙げた。
第一に、フリードマン氏は自身の子どもたちに、自分がそうであったように、自身の力で成功にたどりつくことができると期待していること。
第二に、長女のローラ氏(22)をはじめとし、自分の子どもたちを世間からの良からぬ欲望の的としたくないため。
フリードマン氏には4人の子がおり、彼ら彼女らの推定相続金は4分すると33億米ドルずつで、2016年のロシアにおける相続人長者番付の10位となっている。
しかしフリードマン氏はかつて、子どもたちには仕事に関する選択の自由を与え、世襲制を作りたくない、そして就職の手助けをするつもりもないと表明している。
以前にはロシアの大実業家、ウラジーミル・ポターニン氏が、自身の資産を相続させるのではなく慈善事業に投じたいとして1999年に基金を設立し、2013年からは、慈善事業に積極的な大実業家たちが多く参加しているプロジェクト「ギビング・プレッジ」に参加している。
現在ポターニン氏の資産は121億米ドルと推定され、5人の子どもたちがいる。子どもたちの推定相続資産は各24億米ドルとなり、彼らは上述した同ランキングで13位となる。