支払方法が現金とクレジットカードでは、どちらがお金が貯まるのか? 正解があった!
結論を先に言ってしまうと、お金持ちの多くは「現金」ではなく「クレジットカード」を使うとされる。
「支払う額が多くて、現金を持ち歩くと狙われるからだ」「ポイントや特典の多いカードを持っているから」など、小さな理由はあるが、もっとも大きな理由は、そんな瑣末なものではない。
クレジットカードを使っている人のほうが、現金を使う人よりも貯蓄が多いという、興味深い事実がある。
金川氏の考えでは、現金主義はATMに行くため時間を無駄にする、時間外で下せば手数料がかかるといったデメリットがあり、クレジットカードにするとポイントがつくほか、タダでお金を借りられて支払いを先延ばしにできることが大きなメリットだという。
さらに、金川氏は「クレジットカードのほうが、いくら使ったかがわかりやすく、むしろ現金のほうが使途不明金が多く発生している」と語り「お金を貯めたければ、もっとお金に強くなり、お金を管理できるようになる必要がある。その最初の一歩が、現金主義をやめること」だとまで言う。
その発言を裏付けるデータがある。JCBの調査によると、全国の20歳から69歳の男女1000人に貯蓄について聞いたところ、日頃の買い物を現金ではなくクレジットカードなどキャッシュレスで行う人のほうが、貯蓄額が大きいという。
調査対象者の年収等については不明だが、キャッシュレスの人のほうが年間で平均して10万円以上多くの貯蓄をできていた。
男女でその差は顕著で、男性はキャッシュレスの人のほうが約17万円、女性は約3万円平均貯蓄額が多くなっている。
貯蓄額の差からして、そもそもの収入額がそこまで大きくはなかったと考えられるが、キャッシュレスの支払いのほうが手元には残せているようだ。
クレジットカードというと「カード破産」という言葉があるように、その場で支払わなくてよいことから、ついつい買い物をしてしまい、後日請求が届いたとき大変なことになる、というイメージを持つ人も多いが、実態は逆だった。
多くの人は、むしろ堅実に使うために、クレジットカードを活用しているのだ。
カードの目的は「使用額の管理」
クレジットカードで買い物をする人の使用目的としてはっきりしているのが、金川氏の発言にもあるように「今月いくら使ったかをわかる形で記録しておきたい」という、「支出の見える化」のニーズだ。
なお、キャッシュレスというと最もメジャーなのはクレジットカードだが、最近は電子マネーもその存在感を大きくしている。
コンビニエンスストアなどでの少額の買い物は電子マネー、そこそこ大きな金額のものはクレジットカード、という使い方が一般的だと、そのデータは示している。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、現在、マイナス金利を導入している国は家計貯蓄率を増やしている。
その中の1つで、キャッシュレス支払いの先進国スウェーデンでは「スウィッシュ」というスウェーデンの銀行が共同で立ち上げた決済システムが普及し、ほとんどの支払いがスウィッシュかクレジットカードで可能、現金の使用はわずか2%だという。
レストランやバーなどでも「現金は使用できません」という店が増えており、そのほうが防犯、衛生面からも望ましいという。
スウェーデンでは今や、教会への寄附もキャッシュレスで行うことができる。
「神は様々な方法を受け入れます」現金を介さない支払い方に関して、教会の担当者はテレビ東京の取材でそのように答えた。
キャッシュレスの方法はいろいろあり、買い物をすると即座に銀行口座から引き落とされ、口座に現金がなければ支払いができない「デビットカード」もだいぶ知られるようになってきているが、先のJCBの調査では85%もの人がどのようなものかを正しく理解していながら、実際に月1回以上使用している人の割合は、クレジットカードが62.9%、電子マネーも48.5%に上るのに対し、デビットカードは5%にとどまった。
認知度と実際の使用率にかなりの差があることから、多くの人は、キャッシュレスの支払いについて計画的に支払いをしており、カードに支払いをコントロールしてもらうデビットカードには必要性を感じないようだ。
「お金が貯まる人はお金を管理できる人」それは間違いないと思われる。